2010年3月11日木曜日

あえて言ってみる、意味がわからないコラム。

ある新聞(機関誌)のコラム「荊冠旗」の記事を引用します。
これは非常事態宣言の演習か、と思うほどマスメディアは津波情報を掲げ続けた。テレビを付けると画面上にはずっと警報の種類で湾岸が色分けされた列島の地図が映し出される。どんな作品・番組が放映されていてもだ。もちろん、人命がかかっているだけにとは思うものの、いつもこうやってファシズムはやってくる、と思うとなんとなくちぐはぐな感覚が残る。
チリでの地震、津波と聞いて、半世紀前の三陸地方での津波による被害を思い出す人は、もう年配。今回の津波もジェット機並の速度で日本へ押し寄せた。チリでは南北600キロにわたって断層が動いた。ちょうど直角になる東西に津波は強く伝わる。つまり日本付近で津波は大きくなる、ということだ。
湾内に入る津波は幅が狭まるにつれ集中、水深が浅くなるほど津波の速度が遅くなり、後からやってきた津波が重なり、ますます高くなるとは新聞記事の解説。自然現象を数字に置き換えることで、予想を立てることができるというのが自然科学ならではだ。
なじみのたこ焼き屋の主人が、もう3月中旬でこの商売やめます、という。昨年から不景気が増し、赤字続きで、もう持ちこたえられないと語る。近所で残るのは大手チェーンのたこ焼き屋だけになる。
経済学も数字を相手に景気動向の予想と対策を立てるが、どうもうまくいかない。他の社会現象、要因をうまく分析に取り入れられない現在の経済学の限界なのか。
普段、このテの面白文章が好きなので、けっこうマメに読むほうなんですけど、このコラムは、いくつもの点でヘンなので、おもわず引用してしまいました。

最初は津波の情報がずっとTVに表示されていることに、少々ご立腹です。だが、ちょっとまってほしい。 昔はこの手の情報は、CM中は消えていました。番組にお金を出してくれたスポンサーの映像を邪魔しないために。もし、いま、そんなことをしたら、この執筆者は、「人命に関わる大切な情報を、CMの間だけ表示しないのは、視聴者の生命を軽視し、スポンサーの方を向いた放送であり許せない」とか言いそうじゃないですか。


『どんな作品・番組が放映されていてもだ』と言う様子から、相当長い時間TVを見ていたと思いますけど、中には仕事で、TV見る時間など無い勤労者が、たまたま移動中などで、店頭とか街頭のTVを一瞬だけ見ることもあるし、それで情報に気がつくように、人命に関わることは、ずっと画面に出して置くことが重要だと思います。

『いつもこうやってファシズムはやってくる』のあたりから、なんで画面に人命に関わる重要な情報がTV画面に表示されることがファシズムの前段階なのか全く以て分かりません。「お上」の発表を、各局が足並みを揃えて伝えることが、ムカシの大本営発表のイメージと重なると言うことでしょうか。
それなら一片の理解を示せない訳でもない、、、、、のですけど、その直後に「半世紀前の三陸地方での津波による被害を思い出す人は、もう年配」と、ムカシのことを思い出す人をバッサリ切り捨てています。ムカシの大本営発表を思い出したのは自分なのに。


だいたい、過去の災害のことは、半世紀前でももっと昔でも、教訓として忘れない方が良いです。

『ちょうど直角になる東西に津波は強く伝わる。つまり日本付近で津波は大きくなる』 はなにか知識を混同してますよねたぶん。直角だと強く伝わるとしても、日本付近で「大きくなる」かどうかは、直角とは関係ない。

唐突にたこ焼き屋の話が出るのは結構ですけど、海の話だからたこ焼きにつなげたか。大手チェーンで経営できて、この主人で経営が出来ない理由は、不景気のせいだけなのかどうかは、紙面からは根拠が薄いのでよく分かりません。昨年から不景気を加速させたのは、政権交代で民主党政権になって以降の責任もあるかも知れませんけど、この新聞(機関誌)は、同党の国会議員を全力で応援していますので、こんなこと書いて大丈夫なのかと思います。

『経済学も、、、』の段落は、字数合わせでしょう。自然科学の予想(予測のことか)、と経済学の予想を比較した表現で、「近所のたこ焼き屋が商売をやめるてしまうほど景気対策がうまくいっていないぞ」と言いたいようですけど、それって強引な展開で、ファシズムの話はどう決着したのかよくわかりません。

あーーーーーーーーーー、すっきりした。
ある新聞(機関誌)って、これです。

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